さて雪のなかで犬はウンをどうするのか?
というのがその日の問題なのだった。
いつも行く山道は誰も通らないので雪が積もり、
そこに、さらに雨が降りつけている。
雪というよりシャーベット状の氷といったほうが近い感じで
どちらにしても冷たいことに違いない。
その中に犬を連れていっていつもの通り放してやる。
ここからどうするのか、が楽しみだったのである。
犬は寒がりで普段も外にはあまり出たがらないし
そんな犬が初めての雪を前にどうするのか興味津々で眺める。
はじめはそのシャーベット状の雪のなかを勢いよく走っていく。
しかしすぐに冷たいことが判ったらしく
雪の積もっていない道路脇の土の上でウンをし始めた。
ぼくの目の前でウンをすることは滅多にないのだけれど
こういう状況で仕方なかったのだろう。
それからバカ犬は山へ続く坂を一度は走ったものの
何かに邪魔をされたらしく「ぎゃん」と鳴いた。
慌てて車のほうへと戻ってくる。
まあウンは出来たのだしそれでよしとしたわけだけどしかし、
こんなんで良いのかしら?
と犬を車の荷台に乗せてから思った。
雪はどんどん降っている。